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熊本県七城町で
農薬も肥料も使用せずに自然栽培米を育てる
冨田さんの水田でジャンボタニシ取りと補植作業がありました。
ジャンボタニシを知ってますでしょうか?
稲の根元に鮮やかなピンク色の卵を見たことがないでしょうか。
あれがジャンボタニシの卵!
調べてみると1981年に台湾から食用として輸入されのが始まり。
恐るべき適応能力で日本の水田に繁殖していきました。
このジャンボタニシは、
自然栽培米農家にとって、
敵なのでしょうか?味方なのでしょうか?
【目次】
1. ジャンボタニシとは?
ジャンボタニシの正式名称は「スクミリンゴガイ」
もともとの原産地(野生固体)は、
南アメリカのラプラタ川流域(アルゼンチン)に生息し
雑食性で植物質・動物質問わず、水中の有機物を幅広く摂取する
極めて大型の淡水巻貝です。
日本へは食用として、
1981年に台湾から長崎県と和歌山市に初めて持ち込まれたようです。
1983年には養殖所が35都道府県500か所にまでなったそうですが
需要が無く、採算が合わないため廃業するところが増えました。
1984年には有害動物に指定されましたが
廃棄されたり、養殖場から外に出たジャンボタニシが
野生化し広がっていったそうです。
(出典:Wikipedia スクミリンゴガイ)
もともと日本にジャンボタニシはいませんでしたが
台湾から食用に持ち込んだジャンボタニシが
食用事業としては採算が合わず、廃棄されたために水田で広がりました。
水田に生息して、稲の苗を食べることから
日本だけでなく、東アジア・東南アジアでも有害動物として見なされています。
日本と世界の侵略的外来種ワースト100の1種になっているそうです。
この熊本県七城町でも
代かき後5日経過した水田状態を見ると
水田の表面にポツポツ何か見えますね。
これが、ジャンボタニシです。
ここに稲の幼い苗を植えると
ジャンボタニシが何をするかというと↓
犯行現場を捕らえた写真ですが
水稲の苗を食べているんです。
ジャンボタニシは、水田の凹んだ所の
深水になった水温が低い所に多く集まり生息します。
田植え後1ヵ月の稲の苗がまだ幼い時は
このジャンボタニシに気を付ける必要があります。
1ヵ月間ジャンボタニシを放っておくと↓
水田の凹んだ所を中心に
幼い苗達が食べられるのです。
このような苗が食べられた所に苗の補植をしていくのです。
ジャンボタニシがいる地域で
自然栽培米を育てられる方は、この補植作業をされている方が多いです。
田植え後、1ヵ月は、
ジャンボタニシの食害を受けてしまいます。
一斉に除去したくなるのですが、
自然栽培米農家さんの冨田さん曰く、
「ジャンボタニシとの共生を考えてる」と。
話は少し変わりますが、
この素晴らしい日本には、多くの外来の物が入ってきました。
それは、文化から食から、宗教まで日本にはいろいろ入ってきました。
日本の特徴は
日本では、”融合”しちゃうんです。
プラスに言えば、日本は心の広い国なんですよ。
でも、せっかくの日本文化という良い土台を失ってはダメです。
ジャンボタニシとの融合・・・
田植えは6月末に行いますが、
このジャンボタニシを取り除くのは、7月末までなのです。
なぜかと言うと
7月末になると水稲の苗が大きく強くなり繊維がしっかりとするので、
ジャンボタニシは苗を食べなくなります。
そして、そして、
ジャンボタニシは雑草の若い苗を食べるのです。
なんと
→除草効果
キーポイントは、田植え後の6月末から7月末までの1か月間にどうやってジャンボタニシの発生量を減らして、どう付き合うのかですね。
大事なのは、
ジャンボタニシはすでに今、日本の水田にいる生物なのです。
自然栽培米農家の持っている考え方は、
このジャンボタニシを絶滅させるために、
何かを水田に入れるのではなく、
共生して活かそうとする考えなのです。
「自然に感謝し、自然にあるものを活かし、
自然の力によってできた力強い作物を皆様に食べてもらう。
自然の力に溢れているような食べ物を届けたいね。」
そのような話をしながら、
冨田さんと水田の補植作業を終えたらもう夕方でした。
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