自然農法、自然栽培、自然農の違いとは?

こんにちは、自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。
日本には、様々な農法がありますが、自然に近づけた栽培方法として「自然農法」「自然栽培」「自然農」などがあります。
これらは、名前が似ていますが、それぞれの農法の違いをご存じでしょうか?
「自然」の文字が入っているので、どれも同じだと思う方も多いかもしれません。
確かにこれらの農法の明確な線引きが難しいのですが、今回はこれらの農法の違いを知るための参考にして頂ければと思います。
農薬、肥料、耕耘の有無で違いを見る

「自然農法」「自然栽培」「自然農」を、農薬・肥料・耕耘の有無から見てみると、違いが見えてきます。

自然農は「農薬不使用・肥料不使用・耕耘しない(不耕起)」で最も明確で分かりやすいですね。
自然栽培は「農薬不使用・肥料不使用・耕耘はする」。
自然農法が最も分かりにくく、自然農法には様々な系統があり、有機肥料の使用を許可している系統もあるため、一概に定義するのは難しいです。
それぞれ具体的に各農法の違いを見ていきましょう。
自然農法とは

「自然農法」という言葉が出てきたのは昭和20年代で、岡田茂吉氏と福岡正信氏が、ほぼ同時期に提唱した農法です。
岡田茂吉氏が提唱した自然農法は、その後「MOA自然農法」「秀明自然農法」「新健康協会」などに系統が分かれました。
MOA自然農法では、自然農法に取り組む入り口を広くするために段階に応じて有機肥料の使用も認める制度を作りました。
一方、秀明自然農法や新健康協会では「農薬不使用・肥料不使用」が基本として守られています。特に秀明自然農法は徹底していると言われています。
福岡正信氏の自然農法も有名で、「無農薬・無肥料・不耕起」を掲げています。
ただし著書『わら一本の革命』では、クローバーを播いたり、肥料使用に相当する行為が記述されており、「肥料」の捉え方に違いがあります。
福岡氏は哲学者でもあり「無の哲学」を掲げ、「何もしないのが最高の農法」という思想は、特に海外で大きな支持を受け、福岡氏の自然農法の思想は世界中に広まりました。
この両名が、日本における無農薬・無肥料栽培の基盤を築いたと言えるでしょう。
自然栽培とは

自然栽培は、自然農法の創始者である岡田茂吉氏が掲げた「無農薬・無肥料」の思想が源流にあり、戦後から細々と続けてきた自然農法農家さんの輪が広がり、現代で体現化したものです。
近年では、『奇跡のリンゴ』で有名になった木村秋則さんが、この自然栽培という言葉を広く普及させました。
自然栽培では不耕起ではなく、「耕耘」を肯定しています。
自然栽培は、できるだけ自然に近い状態を意識しながら、農家さんが生業として広い面積でも農産物を生産できるように、耕耘を行うのが特徴です。
自然農とは

自然農は、川口由一氏が実践していた農法であり、現在ではその弟子たちによって広められています。
自然農は「無農薬・無肥料・不耕起」が基本です。
本来、自然界の植物は耕された環境で育っているわけではなく、「耕さない状態」が生命の活動を最も安定させるという思想に基づいています。
ただし、耕耘を行わないため、規模が大きい農業には向いておらず、家庭菜園などの小規模な栽培に非常に適しています。
まとめ:自然農法・自然栽培・自然農の違いとは?
今回は、お客様からよくある質問の一つにお答えしました。
私自身は、もともと20歳代の時に自然農法大学校で、家庭菜園を視野に入れた多品目栽培を主に学んでいました。そのため不耕起でいわゆる自然農と同じでした。
その後、MOA自然農法、秀明自然農法、新健康協会の中規模、大規模の農家さんとも交流を持ってきました。
戦後より自然農法の農家さんが、岡田茂吉氏の思想を田畑に体現すべく、細々と続けて徐々に無農薬・無肥料栽培の認知が広がってきました。
岡田茂吉氏は宗教家でもあり、自然農法には宗教感もありましたが、自然栽培という言葉が普及し、宗教感が抜けてきました。
最後に、もう一度、各農法の違いの表を記載します。

自然農法は系統によって有機肥料の有無が異なるため、やや曖昧な面があります。
自然栽培は「無農薬・無肥料・耕耘あり」、中規模・大規模向き。
自然農が「無農薬・無肥料・不耕起」、小規模や家庭菜園向き。
どうぞご参考にして頂けたらと思います。





















































