根、幹、枝葉を人間に例えると|自然栽培の教え

大木

私は、自然栽培米を普及しておりますが、自然で育った食べ物こそが本来の食べ物だと考えているからです。

自然と人間の関係性を見ると親密な関係が見えてきます。

今回は、根、幹、枝葉を人間に例えてみたいと思います。

植物には、地上部(Top:幹&枝葉))と地下部(Root:根)の乾物量の比率をあらわす
T/R比という指標があります。

T/R = 地上部/地下部ですので、この値が大きければ地上部が地下部より多いという事です。

植物にもよりますが、樹木では、T/R比3~4が健全な状態と言われています。

つまり、樹木では地上部:地下部 = 4:1くらいが健全な状態というわけです。

さらに地上部の有機物量を見てみると、種類や樹齢にもよりますが、幹:枝葉 = 3:1 くらいの関係になっています。

(参考:ヒノキ林における森林バイオマスについての幹-枝葉-根の関係)

つまり根:幹:枝葉 = 1 : 3 : 1 となるんですね。

根、幹、枝葉を人間に例えると

樹と人間自然界は、私たち人間に多くを教えてくれます。

私たち人間も死を迎えれば肉体は分解され、元素になり自然界に戻るわけですから、自然界の物質と私たち体の物質は同じ。

そのため私は、自然界の法則から、人間がより良く生きるヒントを学べるのではないかと思っています。

さて、先程、植物の有機物量は、根:幹:枝葉 = 1 : 3 : 1 になると言いました。

この根、幹、枝葉を人間の体に例えるとどうなるでしょうか?

根:目に見えない部分ですので”思考、感情、考え方”

幹:目に見える部分で”体”を現します。

枝葉:目に見える部分で”外部との接点。外部への行動、交流”

枝を新しい空間に伸ばし、そこで外部との接点を持ち、吸収していくイメージです。

健全な樹木においては、その割合が根:幹:枝葉 = 1 : 3 : 1となっています。

根、幹、枝葉を人間に例えてどう活用するのか

植物の根

樹木や作物の成長ステージに応じてT/R比の変化を見てみましょう。

1) 成長初期

成長初期においては、まず根が伸びます。

縦に伸びる一次根を深く張っていきます。

この時の割合は、参考としてだいたい根:幹:枝葉 = 5 : 3 : 2

(参照:暖温帯上部域広葉樹林に関する研究)

樹木、野菜等においても播種後、まず根を伸ばすので、根の割合が多くなります

つまり子供の頃は、まず目に見えない部分を大事にすると良いでしょう。

考え方や思考、感情と目に見えない部分を育てていき、徐々に外部との接点が広がっていきます。

その時も根がしっかりしていれば、多少のストレスでも枯れないでしょう。

農業おいては土壌に肥料を多く施す方もおられます。

しかし、肥料が多いと根を伸ばす必要が無くなり、根量が減ってしまいます。

ある実験では、窒素施肥と窒素無施肥の根域(体積)を調べたところ3倍以上も差があったようです。

水田においても、肥料を施していない自然栽培米の根っこの方が多くの根量が確認されています。

多くの肥料をあげ、甘やかすと体は大きくなるのですが、根を張っていないので不安定になり環境変化に弱くなります。

成長初期においては親が何でも手を出してしまうより、ある程度子供にストレスを与えた方が、目に見えない部分の根っこ(考え方、思考、感情)は深く、幅広く伸びるということを指しているのかもしれません。

2)成長中期

樹木でも樹齢を重ねていくと、枝葉の割合が多くなり生い茂ってきます。

もちろん根っこという土台はありますが、割合的には枝葉の割合が多くなってきます。

つまり外部への接点が多くなる時ですね。外部への行動を増やし交流する時です。

社会に出る事で、多くの人と接し樹木が二酸化炭素を吸って酸素を出すように、人間も外部から吸収し、そして外部に貢献する。

枝葉はあくまでも、外部との接点でいろいろなことを吸収できるのですが、同時に幹を太くし、根っこも維持しておくことは大事ですね。
植物は、枝葉を切っても生きていけますが、いきなり根を切ってしまうと生きていくのが難しくなります。

3)成長後期

さらに年を取ってくると、樹齢の高い樹木は、枝葉の割合が減り、幹の割合が増えます。

まさにこの時の割合が、根:幹:枝葉 = 1 : 3 : 1ほどといえるでしょう。

樹齢の高い木々を見るとしっかりした太い幹を持ち安定性がありますね。

ここまで来るとちょっとやそっとで枯れません。

枝葉もそれ以上増やすことなく新陳代謝のみし、根もそれ以上増やしませんが、新陳代謝しています。その力を入れる割合は、それぞれ20%ずつくらい。

幹は人間でいう体を指していますが、その人自身の器を指していると思います。

まとめると、
成長初期は、目に見えない部分(考え方、思考、感情)を大事にして育んでいき、成長中期からは外部との接点から経験を積み成長し、自分の器を大きくしていく。

成長後期は、変化は少ないが、考え方も外部との接点も新陳代謝をする。

植物の在り方は、人間の在り方のヒントになるかもしれません。

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