自然栽培米のメリット・デメリット

升に入った自然栽培米

こんにちは、自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。

自然栽培米を作る米農家さんの割合は、0.1%もいないと言われています。

無農薬・無肥料で自然に近づけた栽培方法のため安心できるお米だと好評も頂きますが、まだ取り組む農家さんが多いわけではありません。

自然栽培米にもメリットとデメリットがあるのですね。

今回は、お客様視点と農家さん視点から自然栽培米のメリットとデメリットをまとめてみました。

自然栽培米のメリット

自然栽培米のメリットを「お客様視点」と「農家さん視点」に分けてみました。

お客様視点のメリット

自然栽培米のご飯

・無農薬・無肥料のより自然に近いお米が食べられる

昨今、食べ物が体に与える影響を発信する方が増え、食に意識を向ける方が増えてきました。

農薬や肥料と人工的に作ったものを使用した場合、農作物に残る可能性があります。

「自分の体は自分の食べた物でできている」が原則のため
健康への意識が高い方に自然栽培米は選ばれるようになってきました。

・昔の品種を好む方に喜ばれている

昔のお米の品種は稲の背丈が高いため、肥料を使用すると倒れやすくなります。そのため、昔の品種は自然栽培でないと栽培が難しいのです。

特に化学物質過敏症の方は、昔の品種のお米を好まれることが多いです。

・あっさりした食味

現在は、モチモチ系のお米が増えていますが、元来、日本では日常のケの日には、あっさりしたお米が食べられていました(祭事など特別なハレの日にのみモチを食べていた)。

自然栽培にするとコシヒカリであってもあっさりとした食味に変化してきます。

体に負担の少ない、あっさりしたお米を好まれる方には喜ばれます。

農家さん視点のメリット

自然栽培米の田植え

・農薬散布作業をしなくて良い

自然栽培米農家さんの中には、「農薬散布はもうしたくない」と言われる方もいます。

農薬散布を行う農家さん自身が最も農薬飛散の影響を受けるため、農家さん自身の健康面でメリットがあります。

・農薬・肥料代が不要

農薬や肥料は石油価格や為替の影響を受けやすく、価格が高騰すると経営の採算を圧迫します。自然栽培ではその心配がありません。

・病害虫の被害が少ない

意外かもしれませんが、自然栽培米の田んぼでは病害虫の被害が少ない傾向にあります。

これは、肥料を使用しないため虫が寄りにくいこと、また無農薬によって生態系が維持され、天敵が存在する環境ができていることが大きな要因です。

・心地よい環境で栽培できる

無農薬・無肥料での栽培地は、収穫時の田畑の雰囲気が格別です。
ほとんどの自然栽培農家さんが、その心地良さを体感されています。

自然栽培米のデメリット

自然栽培米には良い面だけでなく、お客様と農家さん視点で見たデメリットもございます。

お客様視点のデメリット

黒い米について

・一般のお米より金額が高い

自然栽培米は農家さんの経験年数や栽培品種、栽培場所などによって差はありますが、一般のお米よりも1.5倍から2倍ほど高い傾向にあります。

・黒い斑点米が入ることがある

自然栽培米では、出穂後にカメムシが飛来し、実ったばかりのお米を吸汁することがあり、黒い斑点として残ります。

一般栽培では、カメムシ対策として、ネオニコチノイド系農薬を使用することがあります。ネオニコチノイド系農薬は、浸透性、残留性が高く、神経毒性があるためミツバチの生態にも影響を与えると言われています。

自然栽培では、農薬を一切使用しないために黒い斑点米が入ることもございます。

・虫が入ることがある

自然栽培米でよく見られる虫は、コクゾウムシやノシメマダラメイガの幼虫です。

自然栽培米では保管中も薬剤を使用しないため、どうしても混入の可能性があります。

農家さん視点のデメリット

水田の草

・ジャンボタニシとの共存

田植え後1ヶ月間は、ジャンボタニシに苗を食べられないように水管理等で対応する必要があります。これを怠ると、植えたばかりの苗を広範囲に食べられるという事も起こります。

一般にジャンボタニシを減らす資材もありますが、自然栽培米農家さんは使用しません。

田植え直後には、苗が食べられることもありますが、苗が大きくなるとジャンボタニシは他の草を食べてくれるために除草の役割を担ってくれます。

ジャンボタニシに関しては、メリットとデメリットの両方を含んでいます。

・草対策が大変

自然栽培農家さんで最も頭を悩ませるのは、田んぼに生える草です。

除草剤を使えないため、チェーン除草や中耕除草機、機械除草あるいは手除草を行います。

そのため、農家さんが田んぼに通う回数は自然と増えます。

・収穫量が少なくなる

自然栽培米の収穫量は、一般栽培米の5-6割程度となります。

農業経営では存続が重要な鍵なので、大きな壁となるでしょう。

農薬や肥料代はかかりませんが、草対策などの手間がかかる上に収量が少なくなります。

多くの自然栽培農家さんは「量」よりも「質」に重点を置いていますが、その価値を分かって頂ける値段を決める必要があります。

まとめ:自然栽培米のメリット・デメリット

テントウムシ

今回は自然栽培米のメリットとデメリットについて、お客様と農家さんの視点から書かせていただきました。

改めて書き出してみると、自然栽培米農家さんはよく決意したなと思います。

農薬や肥料を使用しないというのは、大きな価値観の変化が必要となります。

例えば
農薬に関しては、虫や草と「敵対」→「共生」
肥料に関しては、「量」→「質」

これが、自分の生活や農業を存続させるために農業経営も考える必要があるので大きな決断が必要となるかと思います。

あと最後に
「環境の視点」でもお伝えしておきます。

自然栽培米の田んぼでは農薬を使用しないため、田んぼに棲む生物量が豊かになり、1つの生態系が築かれます。

また、自然栽培米の水田を通った水は下流の水質を保全すると考えられており、地域の環境保全にも繋がります。

自然栽培米農家さんはお米作りを
「物」を作っているというより、命の糧となる「生き物」を育てているという感覚を持っているように見えます。

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