大柿自然栽培米の歴史|相良藩の献上米|熊本県人吉市
こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。
熊本県南部に位置し四方を深い山に囲まれた人吉は、「日本で最も豊かな隠れ里」とも称されている土地です。
この土地は、相良氏が鎌倉時代から明治維新まで治め「相良700年」とも言われ、その文化と伝統の魅力は「日本遺産」にも認定されました。
さて、この人吉で、370年以上続く米農家に生まれた大柿長幸(おおがき・ながゆき)さんは、伝統的な天日干しで無肥料・無農薬の自然栽培米を作っている17代目の当主です。
江戸時代は庄屋として村を治め、大柿地域のお米が相良藩への献上米となっていました。今回は大柿長幸さんに370年以上続く大柿家の歴史を伺いました。
目次
歴史ある人吉とお米の関係
人吉・球磨地域は、熊本県中でも有数の歴史ある稲作地帯です。
農家さんと現地を回るといろいろと歴史を伺うことができます。この地域は、九州山地に囲まれているために外敵の侵入が容易でなかったようです。そのため稲作文化が発展できたと言います。
また人吉・球磨は、美味しいお米が育つ条件、球磨川から湧く豊富な水資源と盆地特有の温度差が揃っている土地なのです。
この地域で有名なのが「球磨焼酎」。なんと500年の歴史があります。米焼酎を作れるということは、それほど豊かなお米を生産していた地域だということなのです。
大柿家は相良藩への献上米を作っていた
江戸時代の大柿家は、庄屋だったそうです。(庄屋とは今の村長にあたる職階で、代官の指揮のもと村の事務を行っていた)
当時の人吉・球磨には、相良藩にお米を献上する場所が3箇所あったそうで、美味しいお米を作る農家として有名だった大柿家は、その一箇所で相良藩にお米を献上していました。また、他の地域が相良藩に納めるお米の採点係もしていたそうです。
つまり大柿家のお米は、相良藩のお墨付きだったようです。
江戸時代に大柿家が相良藩に納められるお米の採点係だった時の木札を見させて頂きました。歴史を感じますね。
先祖代々、伝統を守る天日干し米
人吉において江戸時代から続く米農家に生まれた大柿さんは、現在17代目当主。
先祖代々受け継いだ土地で、無農薬・無肥料の自然栽培米を作り、かつ今もなお昔と同じ乾燥方法である天日干しの文化を守り続けています。
大柿さんは、幼い頃から天日干しのお米しか食べたことがなかったと言います。
そのため、体で天日干し米の美味しさを実感しています。
現代では、天日干し米は手間がかかるために減ってきましたが、先祖代々この土地を守る大柿さんは、伝統の天日干し米を作り続けて後世に残していこうと心に決めております。
大柿さんに大柿家の歴史をお話し頂きました。動画でご覧ください。
大柿家の歴史|相良藩への献上米
まとめ
私(井田)が、大柿さんと出逢った時に、大柿さんは「大柿の地域は、昔から美味しいお米で有名だったんですよ」と仰っていました。
当時は、そうなんですね。程度の返事しかしませんでした。
しかし、今回大柿家の歴史を伺い、なんと浅はかな返事をしていたんだと思いました。。。
大柿さんは、天日干し米を作り続けていますが、天日干し作業は全て手作業で行うため、非常に手間がかかります。1日で終わる作業を3週間かけて行うイメージです。
現在、天日干しで乾燥させる農家はあまりいません。しかしお日様の力でじっくり乾燥させるので、味と香りは良くなるといわれています。
大柿さんは、天日干し米の美味しさを後世にも味わって欲しいという想いから、今もなお伝統的なお米作りの手法を守り、天日干し米作りを続けています。歴史を伝える貴重な方なのです。
今日もお読みいただきありがとうございます!
自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田からお伝えさせて頂きました。
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