収穫量の違い|自然栽培米 vs 有機栽培米 vs 慣行栽培米

自然栽培米の稲

こんにちは、自然産栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。

自然栽培米は農薬や肥料も使用せず、病害虫や収穫量を資材でコントロールしないために他の栽培方法に比べて収穫量は少なくなります。

2022年時点の統計では
慣行栽培米は全体の約99.3%を占め
有機栽培米は約0.7%と言われています。

有機肥料も使用しない自然栽培米の具体的なデータはありませんが、0.1%前後と推測されます。

有機栽培米への移行は、近年ハードルが下がってきましたが、自然栽培米へ移行する人はまだまだ少ないです。

今回は「収穫量」という側面から、自然栽培と他の栽培との違いを見ていきたいと思います。

栽培による肥料分の違い

ここでは、慣行栽培米・有機栽培米・自然栽培米の3種類を比較します。

慣行栽培米での肥料

慣行栽培の肥料散布

慣行栽培米では、化学肥料も有機肥料もどちらも使用が可能です。

特に化学肥料の使用可能なのが慣行栽培です。

窒素肥料:葉や茎の成長を促進
リン酸肥料:根の発達や花・実の形成を促進
カリ肥料:稲の体を丈夫にする

その他、ケイ酸肥料や苦土肥料(Mg)など、多種類の肥料があり目的によって使い分けられています。

有機栽培米の肥料

肥料

有機栽培米では化学肥料を使用せず
自然由来の有機質肥料を使用
します。

窒素源:油かす、米ぬか、鶏糞、豚糞、牛糞などの堆肥
リン酸源:骨粉、魚粕
カリ源:草木灰、海藻粉末など

土づくりを目的とした場合、植物性の完熟堆肥(河川のカヤやヨシ、おがくず、樹皮等)を使用する場合もあります。

自然栽培米の肥料分

肥料稲藁

自然栽培米は、化学肥料も有機肥料も一切使用しません。

「田んぼの外から何も持ち込まない」というのが原則です。

そのため、肥料分となるのは
収穫時にコンバインの後ろから出る粉砕された稲わらや、田んぼに生える春草、地下部の根の有機物、微生物の死骸などです。

一切肥料を投入しないため、その田んぼの生態系の中で作られる有機物だけが肥料分となります。

各栽培での収穫量の違い

収穫の風景

一般的な数値で見ると、慣行栽培米・有機栽培米・自然栽培米の反当たりの平均収穫量は下記の通りです。

慣行栽培米:9俵(約540kg)
有機栽培米:7俵(約420kg)
自然栽培米:5.5俵(約330kg)

割合で表すと、
慣行栽培米:有機栽培米:自然栽培米=10:8:6

また収穫量の良い自然栽培米の田んぼは、もともとの土質も影響しますが、土壌状態が良いです。

それは、有機栽培米の時期にしっかりと植物性の完熟たい肥や緑肥等で土作りをされてきたためだと思われます。

自然栽培米では収量が伸びないのか?

自然栽培の稲のチェック

自然栽培米作りでは、人為的に何かを田んぼに入れません。

何も入れないのならば、段々と土壌が劣化して収量が減っていくのでは?と思われる方もいますが、実際はそうはなりません。

逆に段々と収量は安定してきます。

有機物供給源として、収穫時の粉砕された稲わらや春草や根の残渣などがあります。
さらに収量の安定化に
窒素固定菌を含めた生物多様性も影響しています。

自然界では
栄養分が少ない状態の時はそれを補う微生物たちが活動してくれるのですね。そのために段々と収量が安定すると思われます。

一方、農家さんの努力もございます。

農家さんは、品種の選定・代かきによる田んぼの均平化・田植え時期や株間の調整・水管理などに注力しています。

水管理などは毎日の地道な作業ですが、ジャンボタニシの食害を抑えたり、草の繁茂を防ぐことに繋がります。

田植え後は草取りなど手間がかかりますが
稲が主役となる田んぼ作りを意識することで、後の収量に大きく影響します。

農薬や肥料を使用しない中で、微生物達の力を借りて、いかに稲が主役となり、逞しく育てていくかに知恵を絞って栽培しています。

自然栽培米を作る人が増え、情報共有することで
今後は質だけでなく
収量面での増加も期待されます。

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