自然栽培のメリット・デメリット-自然栽培米専門店-

更新日:2024年10月16日 公開日:2024年10月16日

植田自然栽培米の田んぼにいるクモ
こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。

「自然栽培」とは、農薬や肥料を使用しない栽培をいいます。現在、主流の慣行栽培では農薬や肥料を使用し99.4%は慣行栽培だと言われています。

自然栽培は農薬や肥料を使用しないため、より不純物を含まない自然に近づけた農産物が収穫できる一方、収量が少ない等とマイナス面もございます。

今回、慣行栽培、有機栽培、自然栽培と経験してきた熊本県天草市の自然栽培米農家さんに自然栽培をしてきた中で感じた「自然栽培のメリット・デメリット」を伺いました。

自然栽培とは?

自然栽培とは、農薬や肥料を一切使用しない栽培方法です。

昭和初期から自然栽培の考えは提唱されておりましたが、一般に根付くことはなく、「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんによって広く知られるようになりました。

現在では、農薬や化学肥料を使用する「慣行栽培」が全体の99.4%を占めています。

一方、「有機農法」(天然由来の農薬や有機肥料を使用)は全体の約0.6%で、農薬・肥料を一切使わない「自然栽培」を行う農家は非常に少ないのが現状です。

自然栽培のメリット

昨今、より安心安全な農産物を求める方が増えられ、農薬・肥料を使用しない自然栽培農産物が注目され始めました。

まだまだ自然栽培農家さんは少ないのですが、自然栽培をするメリットは何なのでしょうか。

1. より自然な農産物が収穫できる

澤村自然栽培米あきまさりのご飯

自然栽培では、農薬や肥料を一切使用せず、自然(太陽・水・土等)の力のみで作物を育てるため、不自然な物質が入らない農産物が収穫できます。

近年、化学物質過敏症の人々が増えており、健康志向の消費者の方々に自然栽培農産物は選ばれています。

熊本県天草市の自然栽培米農家の川﨑さんは農業経験40年以上の中で慣行栽培、有機栽培、自然栽培と経験してきましたが、「自然栽培で育てると最も元氣な農産物になる」と感じ、現在では全面積自然栽培をしています。

2. 自然環境の回復に貢献

天草の自然栽培米農家の近くの海

これは多くの自然栽培農家さんが大事にしている価値観です。

自然環境を回復し豊かにするためには、自然界に生息する微生物の活動を促進することが重要です。

私たちの腸内細菌が健康の鍵であるように、自然界の微生物が地球環境の健康を保つ鍵となります。

自然栽培では農薬を一切使用しないため、微生物が豊かな環境が保たれ、自然環境の回復に貢献します。

実際に、川﨑さんの自然栽培米水田の水が流れ出る近くの海辺では、20年ほど前は1畳分ほどしかなかった海草「コアマモ」が、今ではびっしり広がっていると言います。

3. 経済面-農薬・肥料代が不要

自然栽培は昨今高騰している農薬代や肥料代がかかりません。また、川﨑さんは、JA等に出荷するわけでないので買取価格が決まっておらず自分で価格を決められるとも仰っています。

しかし、これは言い換えれば、お客様に選ばれるために自分の商品力が必要になるので、ハードルが高く感じる農家さんは多いかもしれません。

川﨑さんは、いろいろメリットを挙げて頂きましたが
何よりも毎日自然の中で働き、自然栽培農産物を食べることで「自分自身が健康で元気でいられることがありがたい」と仰っていました。

自然栽培のデメリット

自然栽培に取り組む農家さんは、日本の全農家さんの0.1%いるかいないかのごく僅かです。

自然栽培が大きく広がらないのには理由があるのです。

1. 雑草対策

水田雑草

自然栽培米農家さんが声を揃えて言われるのが「草対策が最も大変!」です。

日本では1950年代に除草剤が導入され、農家の負担が大幅に軽減されました。しかし、自然栽培では除草剤を使用しないため、機械除草、手押しの中耕除草機や手作業で雑草を取り除かなければなりません。

除草剤の使用・不使用では、除草に費やす作業時間が全く異なります

例えば、慣行栽培では除草剤の散布だけで済むため、作業時間は一反(10アール)あたり1時間程度です。一方、川﨑さんの自然栽培米水田では、18時間/反もの時間を草取りに費やしています。

効率性を重要視する現代農業では非効率であり、一般の農家さんにとってはストレスを感じるのが普通です。

2. 収量が少ない

収獲する川﨑さん

自然栽培では、肥料を使用しないため、作物の収量が減少します。

慣行栽培では平均約9俵/反の収穫がありますが、自然栽培では平均5.5俵/反と約6割程度にとどまります。

また、慣行栽培から自然栽培に移行した最初の2~3年は、農薬や肥料の残留が影響するため収量がさらに減ることもあります。

また天候の影響を大きく受けるので川﨑さんの稲では、夏の高温の影響を受け、平均3.5俵/反と非常に少なくなる年もあると言います。

3. 販売の課題

自然栽培で作った農産物は、JAに出荷すると採算が取れません。

そのため、自分で販路を開拓する販売努力が必要となります。そこが大きな壁となる人もいます。

自分の顔で商品を販売する必要があるので自分の農産物の質を向上し続ける努力が必要となります。

自然栽培のメリット・デメリット

まとめ:自然栽培のメリット・デメリット

自然栽培米農家川﨑眞志男今回は、農業経験40年以上で慣行栽培、有機栽培、自然栽培をされてきた川﨑さんに自然栽培のメリット・デメリットに関して伺いました。

メリット・デメリットをまとめると

メリット

1. より自然な農産物が収穫できる
2. 自然環境の回復に貢献できる
3. 農薬・肥料代は不要

デメリット

1. 雑草対策に時間がかかる
2. 収量が少ない
3. 販売努力が必要

意外かもしれませんが、自然栽培農家は害虫対策をあまり重視していません。肥料を使用しないため、虫が寄ってこないからです。

自然栽培は収入が不安定になるリスクがありますが、多くの自然栽培農家は楽しそうに仕事をしています。

川﨑さんの話を伺っていて、どうやら一番のメリットは、農家さん自身が毎日元気な農産物を食べることができ、自分自身が健康でいられることなのだと思います。

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