自然栽培歴による土の違いを現場比較|自然栽培歴 6年目 vs 1年目

更新日:2024年3月1日 公開日:2023年7月17日

田んぼの土

こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。

自然栽培の世界において目に見えないものほど重要視しています。

今回の土にしても、一般には目に見える地上部の稲の出来具合を重要視しますが、自然栽培農家さんは目に見えない土の状態を重要視します。

土作りは一朝一夕でできるものではなく、その農家さんの土に対する考え方の長年の積み重ねだと言えます。

熊本県七城町で長年自然栽培に取り組む冨田さん親子は、毎年新しい田んぼを増やしており、自然栽培歴の異なる田んぼを管理しています。

そのため、自然栽培歴による土の状態の違いを見ることができるのです。

今回は、この土の違いを皆さんと共有できればと思います。記事の最後には、現場でインタビューした冨田さんの動画もありますので、ぜひご覧ください。

熊本県自然栽培米農家冨田さんの田んぼで土を比較

自然栽培米農家冨田和孝の田んぼの比較

熊本県の自然栽培米農家の冨田和孝さんは、父・冨田親由さんの代を含めて40年にわたり、安心安全のお米作りを続けている農家さんです。

冨田さん親子は、熊本県で無農薬・無肥料の自然栽培米作りをしている先駆者的存在です。現在では、8町もの面積で農薬・肥料を一切使用せずに自然栽培米を作り続けています。

冨田さんは、毎年、自然栽培米を作る田んぼを増やしているため、自然栽培歴の長い田んぼと短い田んぼを管理しています。

今回は、冨田さんの田んぼで観察された自然栽培を続けることで見られる土の状態の変化を見ていきます。

自然栽培歴6年目 vs 自然栽培歴1年目の土の比較

自然栽培歴による土の比較

土は、あらゆる農産物生産の土台です。そのため、土の健康状態と農作物の健康状態は密接な関係があります。

それはまるで、私たちの腸内環境と私たちの健康状態との関係に近いです。

自然栽培が目指す土の状態とは「温かい・柔らかい・水はけ水持ちの良い」土です。

それでは1年目の土を見てみましょう(下の写真)。1年目とは、昨年まで農薬と肥料を使っていた慣行栽培の土です。

自然栽培歴1年目の土

自然栽培歴1年目の土の特徴は、何といっても土が硬いことです。

地表が硬くて、なかなか指が入らないほどでした。そのため指で掘り起こした時も写真のような塊で取れます。

さて続いて、自然栽培歴6年目の土を見てみましょう(下の写真)。

自然栽培歴6年目の土

自然栽培歴6年目の土は、何といっても柔らかさが違うのですね。

土の中に指がスッと入ります。歩くと、足の裏から土の柔らかさが伝わってきます。

そして、保っている水分量も違うのです。写真を見てお分かりになるかもしれませんが、有機物の量が全く違います。

なぜ自然栽培歴によって 土が違うのか!?

自然栽培米の田んぼ

なぜ自然栽培歴によって、土がこんなに違うのか?

それは、春草の生え方の違いを見てわかるように有機物の量が全く違うからですが、もう一つ 大事な視点は、田んぼの生物量が違うからです。

自然栽培米農家さんが農薬を使用しない理由の一つは、その生物たちを守るためなのです。

例え、土が硬くても、農薬をやめると春草が徐々に生えてきて、土が段々と柔らかい状態に戻っていきます。それが自然界の修復作業なのです。

冨田さん曰く「自然界では土の表面が露出することは不自然なことであり、本来は枯草や植物などに覆われている」と仰っていました。

健全な土壌1グラムの中には、実に100億以上もの細菌が存在しているともいわれています。自然栽培では、これらの生物達の力を借りて土を健全な状態に戻そうとしているのです。

参考出典:新しい土壌の生物性の解析技術(日本農民新聞連載 「明日の元気な農業への注目の技術」 より)

下記の動画は、実際の現場で冨田さんにお話しを伺った様子です。ぜひご覧ください。

自然栽培歴による土の違い

自然栽培歴6年目と1年目の田んぼの前で土の違いをお話し頂きました。
動画で見て分かるように田んぼの有機物の量が大きく異なります。田んぼの雰囲気の違いも少しでも動画で伝わればと思います。

自然栽培歴による土の現場比較!

実は今回の取材は、なかなか希少なタイミングで実現しました。
自然栽培歴6年目と今年から自然栽培を始める1年目の田んぼが隣り合う機会はなかなかなく、希少な比較写真を撮ることができました。

以前から土が違うとは思っていましたが、改めて比較するとその違いは明白でした!

自然栽培歴が長くなると土が柔らかくなる傾向にあります。

自然の状態の土は本来柔らかく、田畑の土が硬いことはやはり「歪み」なのです。

硬い状態はそれだけ土を疲弊させており、こうなると農薬&肥料の使用ループから抜け出しにくくなります。

土は単なる物ではなく、生き物だと捉えられるかどうかでしょう。

冨田さんは動画の中で「自然栽培歴が長い田んぼの雰囲気は居心地が良くて違う」と仰っていました。

私たち人間が人間以外の生物達と共存を試みた時に初めて、私たちにとって居心地の良い世界が訪れるのだと思います。

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