滋賀羽二重糯を選んだ理由とは|筋田自然栽培もち米
自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。
福岡県遠賀郡の自然栽培米農家、筋田晃司さん(すじた・こうじ)は、数あるもち米の中でも最高ランクのもち米といわれている「滋賀羽二重糯(しがはぶたえもち)」を無農薬・無肥料の自然栽培かつ天日干しで作られています。
筋田家ではこれまで、父・靖之さんの代から30年以上にわたり多種類のもち米を自然栽培で作られてきました。しかし、今もなお作り続けているのは、唯一この「滋賀羽二重糯」のみです。
筋田さんはなぜ、滋賀羽二重糯を選ばれたのでしょうか。滋賀羽二重糯の特徴とともにご紹介します。
目次
滋賀羽二重糯とは
滋賀羽二重糯は、1939年に滋賀県で誕生したもち米です。羽二重とは、柔らかく光沢のある絹織物のこと。
一般的な黄色がかったもち米とは違い真っ白で、お雑煮などに入れるととろけてしまうほど柔らかい滋賀羽二重糯の特徴を、絹織物にちなんで名付けられました。
今では郷土菓子や人気スイーツの原材料にも使われており、その美味しさはさまざまな形で広く食されています。滋賀羽二重糯が昔から今に至るまで根強く支持されてきた主な理由は、以下の2つです。
最高ランクの「幻のもち米」
滋賀羽二重糯は、もち米の美味しさを左右する「ツヤ・色・粘り」の全てにおいて高評価を得ており、数あるもち米の中でも最高ランクに位置しています。老舗の高級和菓子店でも使われているんですね。
きめ細やかな舌触りで、絹織物のような繊細な食味と最高ランクに評されるのです。
天皇陛下に献上された由緒がある
滋賀羽二重糯は1952年から1989年まで、正月用の餅として昭和天皇に献上されたという由緒があります。赤飯やおこわ、おはぎなど、ハレの食事にもよく選ばれています。
筋田が滋賀羽二重糯を選んだ理由とは!?
筋田さんは、先代から数えて30年以上、多種類のもち米を栽培してきました。
現在、筋田さんが栽培をしているもち米は、唯一「滋賀羽二重糯」のみです。筋田さんが、最終的に滋賀羽二重糯を選んだ理由は何だったのかを伺いました。
滋賀羽二重糯はもち米の中でも日本一美味しい品種といわれていること、そして、栽培において自分の土地環境にあった品種であることから滋賀羽二重糯を作られているんですね。
そして、実際に筋田さんはこれまで、多種類のもち米を自然栽培で作り食べられてきましたが、ツヤ・色・香り・粘りの全てにおいて最も良いと感じたもち米は、やはり滋賀羽二重糯だったそうです。
美味しさと共に、安全も届けたい。このような想いから、無農薬・無肥料で滋賀羽二重糯を作り続けられているのです。
滋賀羽二重糯を天日干しにしている理由
筋田さんのこだわりは、自然栽培に加えてもう一つ、「天日干し」にしていることです。
写真のように収穫後、滋賀羽二重糯を昔ながらの天日干しで乾燥させています。
天日干しは手間がかかるので、機械乾燥が主流である現代において実践される農家さんはあまりいません。しかも、長雨にさらされると品質が低下します。異常気象が続く昨今では、よほどの想いがないと天日干しはできません。
筋田さんは、なぜ天日干しをするのか?その理由は、「天日干しでじっくりと水分を飛ばして乾燥させたほうが、美味しいから」なのだそうです。
乾燥しすぎると胴割れが起きやすいもち米は天日干しに向いているといえる
もち米は、温度や湿度に気を付けながら十分に乾燥させる必要があります。しかし、乾燥しすぎると品質が低下することが分かっています。
よって、じっくりと時間をかけ少しずつ水分を飛ばす天日干しは、もち米に適した乾燥方法だといえます。筋田さんは、「手間暇をかけた分だけ、体に優しく美味しい農産物ができる」という農業の神髄を大事にし、実践されているんですね。
参考:農業情報学会「光学的手法に基づく「もち米」の胴割れ検知に関する基礎研究」p.49
https://www.jstage.jst.go.jp/article/air/23/2/23_49/_pdf/-char/ja
まとめ
お餅は昔から「神が宿る」ものとして、お正月や祭事、祝い事など「ハレの日」の特別な食べ物でした。日本人の生活・行事には欠かせない神聖な食べ物だったのですね。
滋賀羽二重糯は80年の歴史があるもち米で、その美味しさは現代まで受け継がれています。筋田さんは美味しさに加え、安心安全でかつ伝統的な乾燥方法「天日干し」の滋賀羽二重糯をこの先も未来に残していきたいと考えています。
日本人が本来大切にしていた「美味しさの伝統」がこれからも守られ、後世に受け継がれてゆくことを願うばかりです。
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