自家採種30年以上あきたこまちを味わう|稲本薫の自然栽培米

更新日:2024年5月2日 公開日:2024年4月30日

自然栽培米あきたこまちの玄米

熊本県八代市の自然栽培米農家・稲本薫さんは、30年以上にわたり「あきたこまち」を作ってきました。

無農薬・無肥料という厳しい環境下で30年以上自家採種してきた稲本さんの「あきたこまち」は、元のあきたこまちとは違う独自のあきたこまちとなり、別名「稲本こまち」とも呼ばれているそうです。

では、一般のあきたこまちとは、どのような違いがあるのでしょうか?

今回は、稲本さんの自然栽培米あきたこまちと慣行栽培米あきたこまちの発芽や食味の違いを比べてみました。

あきたこまちとは?

稲本自然栽培米の稲

あきたこまちは、「コシヒカリ」と「奥羽292号」から生まれ、1984年には秋田県の奨励品種に登録されたお米です。

あきたこまち系譜図

 

あきたこまちは、ツヤツヤした輝き、優れた香り、程良い粘りを特徴としています。

また最近、秋田県では「あきたこまちR」を推進する方向にあります。
「あきたこまちR」はカドミウム低吸収性品種の「コシヒカリ環1号」と「あきたこまち」を交配させたお米です。秋田県では過去に鉱山が多かったことから、カドミウムの吸収性が低いお米の育成が必要となり生まれたお米です。

参照:あきたこまちRとは

稲本が残したい「あきたこまち」

稲本自然栽培米の稲

稲本さんが「あきたこまち」の栽培を始めたきっかけは、30年前に環境保全型農業を推進する大学教授からの紹介でした。

それ以来、ずっと稲本さんは熊本県で無農薬・無肥料の環境のもとで自家採種をして「あきたこまち」を育ててきました。

植物は動けないため、遺伝情報をよりDNAに残すといわれています。稲本さんの「あきたこまち」は無農薬・無肥料の厳しい環境下で30年以上生き抜いてきた遺伝情報を持つ独自の「あきたこまち」です。すでに元の「あきたこまち」ではなく、別名「稲本こまち」とも言われています。

発芽力の違いを見る|自然栽培vs慣行栽培

あきたこまちの発芽比較

稲本自然栽培米「あきたこまち」は自然栽培水田での自家採種歴30年以上ですが、一般のあきたこまちと異なる点を把握するために、発芽実験を行いました。

一般のあきたこまちは、秋田県産の慣行栽培(農薬・肥料使用)のあきたこまちです。

米粒を浸水させて8時間ほどでどちらも発芽しました。

ここから12日間かけて発芽の進捗状況を確認しました。

浸水後、12日後の結果が下記となります。

あきたこまちの発芽比較

それぞれ発芽している上位20粒を並べて発芽力の違いを比較しました。

あきたこまちの発芽比較浸水12日後

結果として、自家採種30年以上の稲本自然栽培米「あきたこまち」の発芽力が強いことが分かりました。

※注意:一般の慣行栽培あきたこまちでも発芽力の強いものはあります。今回の比較実験においては上記の結果となりました。

稲本自然栽培米「あきたこまち」の食味の特徴とは?

あきたこまちの食味比較 自然栽培米vs慣行栽培米

稲本自然栽培米「あきたこまち」の発芽力の強さは分かりましたが、食味に違いはあるのでしょうか。今回は同条件で7分搗きにして土鍋で炊いて食味を比較してみました。

食味の比較結果として、私個人として下記の違いを感じました。

・甘みや硬さはほぼ同程度
自然栽培米は粘りが控え目
・自然栽培米の方がツヤや香りが良い

また、食べ比べをした他の方には、「自然栽培米の方が冷めた場合でも保水力があり、しっとりしているので、お弁当にも良いのでは」という感想もいただきました。

慣行栽培のあきたこまちも美味しいお米でしたが、食味の特徴としては、粘りの程度に違いがあるのが分かりました。

自家採種30年以上あきたこまちを味わう

自然栽培米あきたこまちの食味

稲本さんの自然栽培米は自家採種を続けた結果、独自の進化を遂げ、今では「稲本こまち」とも言われています。

味の特性も粘りが控え目になり、本来のあきたこまちとは異なっているので、もう普通の「あきたこまち」ではありません。

稲本さんが30年の自家採種を経て作り上げてきた独自の「あきたこまち」を、ぜひ歴史を感じながら味わっていただけたらと思います。

稲本薫の自然栽培米「あきたこまち」はこちら
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