自然栽培ミナミノカオリ強力粉の特徴と活用例
こんにちは!自然栽培専門店ナチュラルスタイルの井田です。
家庭料理に広く使われている小麦粉は、薄力・中力・強力の3種類に分かれています。
これらの違いは、小麦特有のタンパク質の含有量。以下の含量を目安に分類されています。
薄力粉:6~9%
中力粉:8.5~12.0%
強力粉:11.5%~13.5%
タンパク質含量が少ないほど薄力粉と呼ばれ、多いほど強力粉と呼ばれます。
今回は、タンパク質含量が最も多い強力粉の特徴や活用例について解説します。
自然栽培小麦ミナミノカオリを100%原料にした強力粉についても紹介しますので、ご家庭でクッキングを楽しみたいと思っている方は、是非参考にしてください。
強力粉の特徴と主な用途
小麦粉のタンパク質は、水を加えて練り込むと弾性と粘性が増す特性があります。
これは、小麦粉に含まれる弾性を生む「グルテニン」と粘性を生む「グリアジン」が水を加えて練り込まれることで網目状の構造となり弾性及び粘性が増すのです。
強力粉はタンパク質含量が多いので、水を加えるとモチモチとした強い弾力・粘りが生まます。
したがって強力粉は、パンやピザ生地、パスタなどに向いている小麦粉です。
ケーキに加えれば、ふんわりと柔らかい生地になり、クッキーに加えればサクサク食感に。自分好みの配合で、色んな食感のお菓子を楽しむことができる小麦粉なんですね。
強力粉に最適な小麦ミナミノカオリとは?
ミナミノカオリは、西日本を一帯に広く栽培されているパン用に適するの硬質小麦です。西日本では最初、パン用の小麦として「ニシノカオリ」が栽培されていましたが、これを改良して生まれたのがミナミノカオリです。
ミナミノカオリはニシノカオリよりもタンパク質を多く含み、試験栽培ではタンパク質含量値を13%以上連続で記録したことから、よりパンに向く小麦粉として普及しました。熊本県内ではシロガネコムギに次ぐ生産量を誇っています。
(参考:農研機構「品種詳細 ミナミノカオリ」https://www.naro.go.jp/collab/breed/0100/0108/001410.html)
(参考:熊本県農業研究センター「パン加工適性の高い小麦品種“ニシノカオリ”と“ミナミノカオリ”」の品質および収量安定のための栽培法 p.19,20」https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/6489.pdf)
自然栽培ミナミノカオリ強力粉の活用例
当店では、無農薬・無肥料の自然栽培小麦ミナミノカオリを原料に強力粉を作っております。
一般にパン用の強力粉の原料になる小麦には肥料を使用します。そうすることでタンパク質含量を増やせれるのでパンが膨らみやすくなるのです。
私たちは、小麦粉の本来の味を求めて肥料を一切使用せずに育ているために、一般の強力粉と比べてタンパク含有量が少なくなる傾向にあります。
ここでは、自然栽培ミナミノカオリ強力粉の活用例を紹介します。ご家庭でのパン作りに活かせますので是非作ってみてください。
食パン
自然栽培ミナミノカオリで作った手ごね食パン。香ばしい香りとフワフワした食感に!何もつけずにそのまま千切って食べれば、本来のミナミノカオリの香りが口いっぱいに広がります。スライスしてサンドイッチにしても良いですね。
※注意点は、肥料を使用しない自然栽培ミナミノカオリを原料としているため一般の強力粉よりも膨らみが劣ります。そのためご使用になるイースト(酵母菌)によって膨らみ方は異なります。
ロールパンやちぎりパンにもご活用できます。
ハンバーガーのバンズ
自然栽培ミナミノカオリのパンズは香ばしく出来上がります。パティ・ベーコン・野菜がベストマッチ!家族みんながお腹いっぱい満足してくれるメニューになりますよ。
あんぱん
幅広い年層に愛されるあんパンです。手作り小豆あんを、ミナミノカオリの生地の中に。焼き立てももちろん美味しいですが、翌日トースターで温めてもまるで焼き立てのようにふかふかに!おやつにぴったりですね。
自然栽培ミナミノカオリを作る2人の農家
一般的に、よりモチモチとした粘りのある強力粉を作るためには、多肥栽培にする必要があると言われています。幅広く求められている小麦粉の性能を生み出すため、パン用の小麦粉は通常、肥料を多く与えることが常識です。
しかし、その中で農薬や肥料を使用せずに作った純粋な小麦粉を味わってほしいと自然栽培ミナミノカオリを作る農家さんがおられます。収量は一般栽培の半分ほどになりますが、自然の力で育った強力粉をお届けしたいと思っています。
冨田親由(とみた・ちかよし)‐熊本県菊池市七城町
安心安全の食を追求して40年以上の冨田さんは、ミナミノカオリだけでなく、米や野菜など多品目の作物を無農薬・無肥料で育てている自然栽培農家さんです。
冨田さんは栽培において、作物を育てる土壌の改良から始めます。何年もかけてひたすら土壌の微生物が豊かになるように土作りをしていきます。一朝一夕では作り出せない小麦粉です。
坂田真彦(さかた・まさひこ)‐熊本県植木市
オーガニック食品店に勤めていた時に自然栽培の世界に魅了され、自然栽培農家に転身した坂田さんは、若手ながら多方面で活躍する自然栽培農家です。
「自然栽培農産物を食べて、体調がすこぶる良くなった」という坂田さん。よりたくさんの人に自然栽培農産物のパワーを体感してもらいたいという想いから、無農薬・無肥料でミナミノカオリを作っています。
きめ細かい小麦粉に仕上げるため製粉にもこだわっており、ご利用頂いているお菓子店や召し上がったお客様からは「芳醇な香りがする」、「焼き上がりがふんわりしている」という声をいただいています。
まとめ
小麦粉はパンや麺などの他に、お菓子などにも広く用いられる素材です。現代の私たちの食生活には、欠かせないものとなりました。
近年の調査では、日本人は一人当たり年間約32㎏もの小麦を消費していると言われていますが、日本に流通する小麦粉の8割以上は海外から輸入したものです。国内の小麦自給率はわずか12%ほど。さらに輸入小麦・国産小麦のほとんどが農薬・肥料を使用して作られています。
今回、ご紹介した無農薬・無肥料の自然栽培ミナミノカオリの強力粉は、純粋な小麦粉を目指して作られたもので、肥料を使用しないためタンパク質含有量が少な目になる特徴があります。
その特性を把握したうえで、ご家庭のパン作りにご活用くださいませ。
ナチュラルスタイルでは実際に農家さんの畑を訪ね、栽培の過程だけでなく農家さんの想いも確認しています。
私たちの体を元氣にするのは、目に見えない農家さんの想いがあってこそなんですね。
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