外国産小麦と国産小麦|自然栽培小麦ナチュラルスタイル

更新日:2022年4月1日 公開日:2021年11月6日

自然栽培小麦

こんにちは!自然栽培農産物を届けるナチュラルスタイルの井田です。

今回は、外国産、国産の小麦粉のお話をします。

戦後、小麦の輸入量は著しく増加しました。食の欧米化が進み、洋食文化が浸透したからです。

日本人は主食として米だけでなく、パンや麺類も日常的に食べるようになりました。

現在小麦の需要率が高い日本ですが、国内に流通する小麦の約85%は外国から輸入された小麦です。一方で国産小麦の生産量は、戦後も今もあまり変わりません。

今回は、外国産小麦が普及した背景やその特徴、また国産小麦はなぜ少ないのか解説します。

国産小麦と外国産小麦の割合

国産小麦と外国産小麦
画像参照:小麦を育てよう https://www.nippn.co.jp/hiroba/komugi_sodateyo/popup/ps.pdf

上記の画像が示すように、昭和20年戦後から急激に小麦粉の輸入が増えています

戦後にアメリカから小麦粉の輸入が始まり、それに伴い「食の欧米化」が始まり、私たち日本人の食生活は多様化し、色々な料理やお菓子に小麦が取り入れられました。

現在日本人は、一人当たり年間で約32㎏の食糧小麦を消費しています。食パン1斤に換算すると、1年で約100個分を消費していることになります。

農水省が試算した日本における令和3年の総需要量は、約574万トン。うち外国産小麦の流通量は484万トンで、残りの86万トンが国産小麦です。国内に流通する小麦のうち、全体の約84%は外国産で、残りの16%は国内産という割合になります。

日本の小麦の生産量は、戦前戦後とあまり変わりはありません
戦後に外国産の輸入小麦の量が増えていったのですが、国産小麦の割合は増えないのでしょうか?

日本の気候が小麦の栽培に向かない

国産小麦

日本でも弥生時代には水田と共に麦類が栽培されていたようです。日本人の祖先は、小麦を重湯(おもゆ)のようにした食べていたようです。その後、平焼きにしたり、うどん等の麺類などに用途が広がっていきました。

しかし、小麦は、生育において天候に左右されやすく、近年では湿害(土壌の水分過多で起こる農作物への被害)が原因で、収量が少なくなっている地域もあります。

また、小麦はもともと水に弱い性質があるため、収獲期の雨は収量に大きく影響します。日本ではちょうど梅雨の時期にあたるので、収穫量が不安定になりやすいのです。

作付け面積が少ない

日本では北海道を除いて、麦の作付け面積は全体の約1割。残りの9割は水田となっています。これは、日本がもともと水稲栽培を主としていたことに関係しています。

最も作付け面積が広いのは、梅雨のない北海道です。国産小麦の半数以上が北海道で作られています。

また、小麦は連作障害(毎年同じ場所に同じ作物を栽培すること)を受けやすい性質があり、雪腐病・眼紋病・なまぐさ黒穂病などにかかりやすくなります。よって農地の少ない日本でも繰り返し栽培することは難しく、多収が望めないのです。

(参考:農林水産省「麦の需給に関する見通し」https://www.maff.go.jp/j/seisan/boueki/mugi_zyukyuu/attach/pdf/index-103.pdf)

(参考:アーゼロンシステムコンサルタント「小麦と小麦粉の科学」http://www.azeron.co.jp/_src/2129074/foodtopics_22_1.pdf)

(参考:農林水産省「麦をめぐる最近の動向について」https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/attach/pdf/mugi_kanren-32.pdf)

(参考:農林水産省「日本では、麦をほとんど作らないで輸入(ゆにゅう)している理由をおしえてください。」https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0005/04.html)

外国産小麦の種類と特徴

小麦

外国産小麦の主な輸入国は、アメリカ・カナダ・オーストラリアです。

これらの国の気候や土壌は小麦の栽培に適しており、土地も広大。質の良い小麦が大量に収穫できるのです。

では、どのような品種の小麦を輸入しているのでしょうか。国別に以下分類しました。

【アメリカ】(小麦輸入量の54.8%)
ダーク・ノーザン・スプリング/ハード・レッド・ウィンター…強力粉・準強力粉
ウェスタンホワイト…薄力粉

【カナダ】(小麦輸入量の28.9%)
ウェスタン・レッド・スプリング…強力粉

【オーストラリア】(小麦輸入量の16.2%)
スタンダード・ホワイト…中力粉

パン用や中華麺用の強力粉の輸入が多いですね。

(参考:農林水産省「麦をめぐる最近の動向」p.2
https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/attach/pdf/mugi_kanren-53.pdf

外国産の小麦はタンパク質含有量が多い

外国産小麦は、国産小麦に比べてタンパク質の含有量が多いという特徴があります。

小麦特有のタンパク質は、調理したときに粘りや甘みを生みます。そのため外国産小麦を原料とした小麦粉からパンを作ると、ふっくらとボリュームのあるものになります。

タンパク質の含有量は品種によって異なりますが、実は栽培において与える肥料の量で調整することができます。肥料を多く与えるほど、タンパク質含有量が多くなるのです。

現代ではふわふわと柔らかい食感が好まれているため、よりタンパク含有量の多い小麦の生産が求められています。国内でも多肥栽培でタンパク質含有量を増やす等と行われてきました。

(参考:農研機構「国産小麦の品質特性と今後の方向性」 p.15  https://www.maff.go.jp/primaff/koho/seminar/2019/attach/pdf/191023_02.pdf)

ポストハーベスト農薬と外国産小麦

小麦

ポストハーベスト農薬とは、収穫後の農産物にかける農薬のことです。目的は、輸送中の害虫による食害やカビ発生などを防ぎ、品質を保つこと。

現在日本においてポストハーベスト農薬は使用禁止となっていますが、輸入農産物に関しては使用の制限はありません。

海外からの輸入の際は輸送に長い時間がかかるため、品質低下のリスクが高くなり、商品価値が下がる可能性があります。そのため多くの輸入農産物はポストハーベスト農薬が散布されており、小麦も散布対象農産物に含まれています。

ポストハーベスト農薬は栽培中に使われる農薬の濃度よりも高い上に、収穫後の農薬処理は残留量が多くなると言われています。よってポストハーベスト農薬の残留量には基準値が設定されており、健康を害さないよう安全性が確保されています。

(参考:農薬工業会「残留農薬や食品における安全基準などについて」https://www.jcpa.or.jp/qa/a2_07.html)

(参考:なちゅここ生活「ポストハーベストを知ろう」https://www.natural-coco.jp/life/nogyo/2008/05/post-3.html)

まとめ

小麦粉

今回は、外国産小麦と国産小麦の比較をしました。

小麦粉の使用面でいうと、国産小麦は外国産に比べるとタンパク質含有量が少ない傾向にあるため、パンにしたとき膨らみが小さくなります。均一したパンの品質安定性を求める場合、輸入小麦を選択することもあるでしょう。

しかし、近年では技術の向上により、製パンに向く国産の小麦の品種も続々と登場しています。
(参考:Japan Business Press「パン市場で国産小麦が大躍進の理由」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40868?page=4)

私たちは自然栽培小麦粉をご提供しておりますが、自然栽培のため農薬と肥料を使用しません。そのため自然栽培小麦はタンパク質含量が少ないのです。

製パンとしては、強力粉のミナミノカオリは、膨らむのですが、外国産小麦や一般の国産小麦と比較して、膨らみが小さい傾向にあります。

しかし、私たちは、農薬や肥料を使用せずに育てた昔の日本人が使っていたような小麦を届けたいと考えております。このような小麦から作ったパンや麺こそ、小麦本来の味わいが楽しめると考えております。

小麦本来の豊かな味わいを楽しむ自然栽培小麦は、こちらから!

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