自然栽培歴40年の小池祐生さんが考える肥料とは?

更新日:2023年4月19日 公開日:2022年3月15日

自然栽培米農家小池祐生

こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。

現代農業では一般的に、肥料を使用して作物を育てます。農業に携わっていない方でも、肥料は必須だと考えている人は多いかと思います。

肥料は作物にとっていわば栄養剤。作物の成長を促し、収量を向上させる役割があると捉えられています。

肥料を使用しない自然栽培にはよく下記の質問が寄せられます。

肥料を与えないと作物ができないのでは?
肥料を与えないと土地が痩せていくのでは?

誰もが抱く疑問かもしれませんね。

そこで今回は自然栽培歴40年以上の小池さんに、肥料についてお話を伺いました。

農作物に肥料は必要なのか?

堆肥

現代農業で肥料を使用する目的は、

・収量を増やすため

なぜならば
・農薬や化学肥料で管理された田畑の土の養分が少ないから。
・大きく育つように改良された農作物がより多くの養分を必要とするから。

本来、自然界には作物が育つ栄養素は既に存在します。

山野に生えている植物は、肥料を与えなくても生い茂ります。それは、植物自体の落ち葉や枯れ枝、植物を食べた動物たちの死骸やフンが土の中の微生物によって分解され、植物の栄養素として戻っていくからです。

しかし、現代農業では、自然の地力以上に安定的に多収を目指すので肥料分が足らないのです。
イメージとしては、100を収穫できる土壌から200の収穫を目指しています。

その足らない分を人為的に化学肥料や有機肥料として補うのです。

参考に無肥料になると収量は半分くらいになります。

自然栽培歴40年以上の小池さんが考える肥料

根の残差

小池さんは、肥料には『人為的な肥料』『自然の肥料』の2種類があるといいます。

人為的な肥料は、作物の成長促進や多収を目的とした肥料。
自然の肥料とは、自然に生えた植物のみで作った肥料です。

自然栽培の世界において肥料は、「外から持ち込まない、中から持ち出さない」と考えられています。

人為的な肥料を与えることは、不純物を外から持ち込むことであるため自然栽培とはいえません。自然栽培では、下記の自然産物を栄養分として作物を育てます。

1. 収穫時の粉砕された稲わら
2.稲の地下部の残根
3.春先に田んぼに生える春草
4.土壌微生物の死骸

人の手が加えられていない森林や野原では、肥料を与えずとも毎年植物が繁茂します。これは先述した通り、自然の循環が成り立っているからです。

自然栽培の田畑では、この自然循環が体現されているのですね。

小池祐生さんは肥料をどのように捉えているのかご覧下さい。

まとめ

自然栽培米農家小池祐生さんと井田

多くの熟練自然栽培米農家さんが実感していることは、「肥料を使用するから農薬が必要になる」ということです。

実は肥料を使用すると、虫がつきやすくなります。特に家畜糞堆肥に関しては、 これまで現場を見てきた経験から虫が付きやすくなります。

一般には、この虫を農薬で抑えます。つまり、肥料と農薬はセットです。

こうなると、肥料の使用⇒虫が付く⇒ 農薬を使用するという悪循環に陥り、なかなか抜け出すことができなくなります。

自然栽培は、無肥料のため、収量が約半分になるというデメリットがあります。

しかし自然栽培は、無肥料⇒虫が付きにくい⇒農薬を使用しないという循環を作ることができます。

慣行栽培と自然栽培は、全く異なった価値観が根本にあるのですね。

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