自然栽培米での肥料分とは!|無肥料栽培でできるのか?

更新日:2021年7月21日 公開日:2021年4月29日

こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田です。

私どもは、農薬や肥料を使用せずに作った自然栽培米を皆様にお届けしております。

今回はお客様や米農家さんからの質問の1つに答えようと思います。

その質問とは、

「本当に肥料を使用しないでお米ができるのですか?」

無農薬という考えは、徐々に広まりつつあります。
しかし、無肥料にこだわる農家さんはまだ少ないです。

私たちは、外から入れ込む肥料には不自然な物質が含まれると考えているため使用しませんが、やはり多くの方が、本当にお米ができるのか?と疑問を持つようです。

今回は、この疑問に関してお答えしていきたいと思います。

無肥料でお米が採れるのか?

升に入った米

結論としては、「無肥料でもお米はできます」なのですが、収量が減ります。

お米で比較すると、私のこれまでの集めたデーターでは平均収量は下記の通りです。

慣行栽培米:約9俵/反
有機栽培米:約7俵/反 (慣行の80%)
自然栽培米:約5.5俵/反 (慣行の60%)

自然栽培米も栽培方法次第では、自然栽培にあった品種選定や植え方、草管理によって慣行栽培レベルまで達する可能性はあると思います。

しかし、今のところ慣行栽培米の約60%程です。

私達は、外から肥料を持ち込んで田んぼに入れることはありません。

自然農法や自然栽培の世界では外から持ち込む肥料は不自然な物であり、肥毒(ひどく)を生み出し、これが地下約20-50cm程に硬盤層(肥毒層)を作ると考えています。

肥料を使用しないといってもこの世は、豊かさに溢れています。裸地化した土地も150年経てば森林になります。

肥料を使用しない自然栽培米において、どのような有機物が稲の栄養分となっているのでしょうか?

収穫時の稲わらの残渣

肥料稲藁

熊本県では一般的には、10月上旬‐下旬にかけて自然栽培米の収穫をします。

自然栽培米において土に還す有機物で一番目立つものと言えば、収獲時の粉砕されたイナワラですね。この粉砕された稲わらは土に還す貴重な有機物です。

自然農法の世界においては、世の中の物質は、火・水・土のエネルギーで構成されていると考えています。

つまりは
1. 火=太陽光のエネルギー(太陽)
2. 水=水のエネルギー(月) 
3. 土=土壌のエネルギー(地球) 

稲わら自体は、土壌から栄養分と水を吸い、太陽光を浴びて光合成をすることで植物体を作っているので、この稲わら残渣は火・水・土のエネルギーが凝縮された物なのです。

このエネルギーをエサに土壌微生物がエネルギーを得て、増えて、土を作っていくのです。

地下部の稲の残根

稲の根の比較

収穫後は、コンバインの後ろから出る稲わらの残渣が、田んぼの表面に広がっている状態です。

地上部は目に見えて分かりやすいですが、地下部にも同様に有機物が供給されています。

それが、稲の残根ですね。

この稲の根っこが多ければ多いほど、土壌中に有機物を供給でき、土壌微生物が増え、土作りができるということになります。

自然栽培米と慣行栽培米では、どちらの方が根っこが多いのでしょうか?

上の写真は、慣行栽培米と自然栽培米の根っこを掘り起こして比較した写真です。

自然栽培米の方が、太根も細根も多いことが確認されたようです。

自然農法事業団の方が掘り起こしたのですが、土の柔らかさも異なっていたようです。確かによく見ると、慣行栽培米と自然栽培米の土壌の質が異なるように見えます。

田んぼに生える春草等

肥料春草

毎年10月頃に収穫ですが、冬の間農家さんによっては放任状態であったり、天地返しをしたりとしますが、4月頃温かくなると勢いよく春草が芽生えてきます。

草が生えるという事は、土壌中に同じように根っこが伸び、土壌微生物も増えていくという事を現しています。

ある水田では、20年ほど前まで冬にレンゲを撒いていましたが、春になってもレンゲが生えてこなくなりました。ちょうど、上の写真のような状態ですね。

そのため、レンゲもやめて15年ほど前から完全に自然栽培米作りに移行しました。

自然栽培を始めて15年経ってから、ちょっと土が疲れてきたかなと感じたその年に、突然、レンゲが生えてきたそうです。

肥料春草

土は、自分たちが必要な栄養分を分かっていて、ちょっと有機物がいつもよりも欲しいなと思ったら、自然の仕組みで有機物を増やすのかもしれません。

人間が農薬を使用しなければ土が豊かになるのは、自然の摂理だと考えています。

土壌微生物の死骸

土壌微生物

※イメージ図です。
上図の堆肥とは、周囲にある自然の有機物と考えて下さい。

これまでの田んぼの土に入ってきた下記の有機物が、水田の微生物層を豊かにしていきます。

1.収穫時の稲わらの残渣
2.地下部の稲の残根
3.田んぼに生える春草等

有機物が入り水田の微生物層が豊かになると、物理性の良い土が出来上がっていきます。

すなわち、自然栽培の世界で良い土と言われる温かい、柔らかい、水はけ・水持ちの良い土壌です。

温かく、柔らかい土壌を作ろうと思えば微生物や虫等の生命の営みが必要となるのです。

肥料をあげないと成育しないという考え方には、土壌には一定量の養分があって、それを使い果たしてしまうという考えがあります。

しかしどうやら自然は、その生育に必要な養分を供給してくれるようです。

植物は、養分が足りないなと思ったら根圏の土壌微生物が菌糸を伸ばし、作物に栄養を与える共生関係を築くシステムもあります。

土壌微生物が豊かになり、その生命を終えるとまたその有機体が植物の栄養分となっていきます。

この世は、欠乏するのでなく、豊かさに満ちていることが前提なのだと感じます。

自然栽培米作りにおいて唯一の肥料とは、植物体、微生物体とその田んぼに宿る命が肥料となっているのです。

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