冨田自然栽培米の代かきと田植えの特徴
こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田です。
米所として歴史ある熊本県菊池市七城町で、40年前から自然農法(無農薬・無化学肥料)でお米作りをしてきた冨田さんの田植えが6月末から始まります。
田植えが6月末ですので代かきは6月中旬頃から開始です。
冨田さんは、一気に4mの幅で代かきできる代かき機を使用しています。
この代かきという作業は何のためにしているのでしょうか?
代かきや田植えの写真も入れてお伝えしたいと思います。
冨田親由さんの自然栽培米の代かき
田植え前の「代かき」は、大事な作業です。
代かき後は、上の写真のようになります。
代かきは、田んぼをおこした後、ぼこぼこの状態の土をさらに細かく砕き、土の表面を平らにする作業ですね。
代かきの目的としては
1.土の表面を均平にするので苗の生育が揃いやすい
2.田んぼの水漏れを防ぐ
3.田植え作業がしやすくなり苗の活着も良い
4. 有機物の分解とガス抜き
その他、雑草の種を深く埋めるという方や逆に浅くして雑草の種を流すという方もいます。
この地域には、ジャンボタニシがいるので、均平にすることはすごく大事なのです。(ジャンボタニシは、凹んだ所に集まり、その周辺の苗を食べてしまいます)
下の写真は、代かき後5日くらいたった状態です。
よく見ると、田んぼの表面に、ポツポツ何か見えませんか?
これが、ジャンボタニシです。
ジャンボタニシは、凹んだ深水の所に集まる習性があります。結果、深水の所だけ集中して苗が食べられてしまします。
そのため均平にする代かきは今後の生育の大きく関わるのです。
冨田自然栽培米の苗の状態
5月末に準備した苗は約40日ほどが経ち、15㎝-20㎝ほどの高さになりました。
触った感じもしっかりしており、根の張りもしっかりしていますね。
苗作りで失敗すると触った感じも柔らか過ぎて、弱々しい苗になることもあります。
苗の出来具合によって、田植え後のジャンボタニシの食害にも影響がでますので、しっかりとした苗を作るというのは米農家さんにとってはすごく大事な事です。
昔から「苗半作」という言葉がありますね。
それほど、この苗作りは、大事なポイントなのです。
冨田和孝さんの自然栽培米の田植え
熊本県菊池市七城町では、一般には6/15頃より田植えを開始しているようですが、自然栽培農家は、田植えの時期を大事にしています。
早く田植えすると、分けつが多く、収量が増えるかもしれない。でも、ウンカの被害にあう可能性が高まります。ウンカの被害にあうとお米の品質も下がる。
逆に、遅く植えると、分けつが少なく、収量が減るかもしれない。でも、ウンカの被害から回避できる可能性があるし品質の良いお米を維持できる。
総合的に考えて、冨田さんは、遅めに田植えをしています。
今回の田植えの株間は、22㎝×30㎝ほどです。(自然栽培農家さんによっては30㎝×30㎝)
田植え後、1ヵ月間は自然栽培米農家さんにとって勝負の時期です。
田植え後に雨が多く、気温が下がるとジャンボタニシに食べられる傾向にあるからです。
ジャンボタニシは、除草をしてくれるメリットもあるのですが、苗と草の区別はしてくれません(当たり前ですが・・・)。
田植え後一か月間は、苗が小さく柔らかいので、ジャンボタニシに食べられることが多々あります。
しかし、田植え後一か月経つと、苗の茎もしっかりと強くなり、ジャンボタニシに食べられません。
腹が減ったジャンボタニシは、若く柔らかい雑草を食べてくれますので除草効果があります。
このように田植え後一か月は、ジャンボタニシに気を付けるのですが、自然栽培米の農家は、水管理によってジャンボタニシとうまく付き合っています。
水を入れ過ぎると、ジャンボタニシが活発に動き、苗を食べる。
一方、水を抜き過ぎると、ジャンボタニシは動かなくなるが、雑草が生えて、除草作業が大変になる。
慣行栽培では、ジャンボタニシを駆除する資材があります。慣行栽培の田んぼを見ると全くジャンボタニシがおらず、水を入れ過ぎる事で大繁殖するジャンボタニシを考えなくてよいので、田んぼにドンドン水を入れ込むことができます。
このように自然栽培米作りでは、農薬を使用しないために、ジャンボタニシや雑草、ウンカ対策等で管理が異なるのです。
あまり表では言っていませんが、無農薬で栽培するには、全く異なった管理方法で栽培する必要があるのです。
※営業時間:平日9:00 - 17:00対応
※電話でのご注文の場合のお支払方法は「代金引換」となります。
NP後払いをご希望の場合は別途250円となります。
※営業時間外のお問い合わせは下記よりお願い致します。
⇒お問い合わせはこちら