自然栽培米と一般の慣行栽培米との違いとは?
こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田です。
私たち日本人には欠かせない主食、お米。
稲作は縄文時代後期から栽培が始まり、現代まで私たちの食生活を支える重要な土台となっています。
初夏に田植えをし、夏の間に水量を調節したり雑草を抜いたりして手入れをし、秋には収穫をする。大昔も今も変わらない栽培方法ですが、一つだけ異なる点があります。
それは、農薬や肥料を使うという点です。
現在、私たちが食べているお米は、ほとんど農薬や肥料が使われています。
戦後にガラッと変わってしまったお米の栽培方法ですが、最近、無農薬や無肥料栽培の自然栽培に注目されてきました。
この記事を読むことで自然栽培米水田と一般の慣行栽培米水田の違いを知り、自然栽培米とは、どのようなお米を示すのかを、理解できるようになるでしょう。
自然栽培米とは!?
現代の農業では一般的に稲作において、農薬や肥料を使います。
耕作面積の99.5%は農薬を使用されています。
農薬の役割は、病原菌や虫による食害を一時的に防ぐこと。そして肥料の役割は、作物に栄養を多く与えることで、効率の良い収穫を促すことです。
戦後に急速に広がった農薬と肥料は、戦後の食糧不足の解決に貢献し、農家さんの負担も軽減しました。
そのため戦後より、農薬と肥料が使用される栽培は慣行栽培と呼ばれるようになり、それによって作られたお米が、私たちが普段食べる主食となったのです。
それに対して、自然栽培は、農薬や肥料を使いません。
この自然栽培の考えが日本で生まれたのは、今から約90年前の1930年頃です。
提唱したのは、主に思想家の岡田茂吉氏(1882‐1955)と農業家の福岡正信氏(1913‐2008)です。
両氏が唱え実践したのが、農薬や肥料を否定し、極めて自然に近い状態で作物を育てる農法です。
現代では、無農薬・無施肥によるりんごの栽培に成功した木村秋則氏によっても、より広く知られるようになりました。木村氏の活躍を描いた映画「奇跡のリンゴ」が世界中で話題を呼んだことはまだ記憶に新しく、感動した人も多いことでしょう。
自然栽培米と有機栽培米を同一と考える方もおられますが、有機栽培米は、一部の天然由来の農薬、有機肥料の使用が認められています。そのため、自然栽培米とは異なります。
自然栽培米とは、農薬不使用、肥料不使用のお米を示します。
自然栽培米と慣行栽培米の田んぼの比較
自然栽培で育てるお米は、慣行栽培(一般的な栽培方法で、農薬や化学肥料を使用する栽培方法)と、どのような違いがあるのでしょうか。
それは、田んぼを見ると一目瞭然です。
まずは田植え前の苗です。
慣行栽培米の苗は、緑色が濃く、きれいに生え揃っていますが、自然栽培の苗は、緑色が薄く、慣行栽培に比べて苗の茎が若干細いのが特徴です。
これは、苗の土に肥料が含まれていないためです。もちろん、苗管理の上手な熟練の自然栽培米農家は、しっかりした茎の苗を作ることができます。
左側:自然栽培米水田 右側:慣行栽培米水田
次に田植え後の様子です。慣行栽培は苗が密集し、遠くから見ると田んぼ全体が青々としています。それに比べて自然栽培は、緑が薄く、疎植(苗と苗の間隔が開いていること)です。
肥料が苗に及ぼす影響を垣間見れる時期です。
左側:自然栽培米水田 右側:慣行栽培米水田
そして、収穫前の田んぼの様子です。
ここでも色の違いが明白に出ていますね。
地上部だけ見ると自然栽培米は緑が薄く、稲穂の太りも遅いです。
しかし、私たちは、地下部を見ています。
自然栽培米の田んぼは台風が来た際も倒れにくい傾向があります。
肥料を使わないために、稲自らが土中の養分を吸おうと根を伸ばし広げた結果、風雨にも倒れない生命力の強い稲に成長したからなのです。
籾をとれば、同じ米粒に見えるかもしれません。しかし生育の過程は、全くと言っていいほど異なります。
自然栽培米と慣行栽培米の味の比較
生育環境により田んぼに違いが現れますが、味はどうでしょうか。
慣行栽培で使う肥料には、主に窒素が含まれているものがあります。
窒素はタンパク質の元となるため作物の生育には欠かせないものですが、量やタイミングを見極めて施肥しないと味に悪影響を及ぼしてしまいます。
タンパク質の含有量はお米の食味を左右し、過分なタンパク質は、お米の甘みと粘りが減ってしまいます。
自然栽培米の食味の全体的な傾向としては、あっさりしてくる傾向にあります。
最終的には、米粒は同じような見た目かもしれません。
しかし、その生育過程は、全く異なります。お米も人も同じです。どんな環境で育ったかでどんなお米になるかが異なります。
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