令和3年川﨑さんの自然栽培米作りがスタート|3月にはプール育苗,4月には田植え

更新日:2021年5月21日 公開日:2021年5月21日

川﨑さんインタビュー

3月某日、熊本県天草市の自然栽培米農家、川﨑眞志男さんの米の種まきの様子が、地元のテレビニュースで放映されました。

通常、お米の種まきは5月前後に行われますが、天草は温暖な地域なので、二か月ほど早く行われています。

昨年は、長雨や日照不足によりこれまでになく収獲の少なかった年でしたが、今年度の米作りはどうなるでしょうか!

温暖な気候を生かした早期米作りが盛んな天草

川﨑自然栽培米

海洋性気候に属する天草。一日の気温の変化が小さく、一年を通して気温が高い地域です。雨量も多く、昔からこの気候を生かして柑橘類の栽培が盛んに行われてきました。

天草において早期米コシヒカリの栽培が普及したのは、今から約40年前のことです。早期米自体の栽培はそれよりも以前から行われていましたが、コシヒカリの栽培は全体の2%ほどでした。

40年前の当時は、良質な米の増産が求められており、これを背景に早期米コシヒカリの導入が図られることになったわけです。

導入当時は、倒伏するなど課題の多かった早期米コシヒカリですが、栽培法の改良や生産組織の育成により徐々に普及。現在では、天草の米作において9割を占めています。

川﨑さんは、早期米コシヒカリの導入と普及において、中心人物として活躍しました。いわば天草にコシヒカリを広めた立役者なのです。

参考:南九州の農業と農業機械化 p.7
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsam1937/52/2/52_2_93/_pdf/-char/ja

早期栽培の天草ではプール育苗が行われる

川﨑さんインタビュー

米作りは、種まきから始まります。川﨑さんが種まきに使用する種籾は、自家採種のもの。川崎さんは、自然栽培に取り組んだときから自家採種を続けており、今年で15年目となります。

そのため、川﨑さんの自然栽培米コシヒカリは、粘りや甘みがありつつも、一般的なコシヒカリよりも歯ごたえがあり、かつ胃もたれのしない優しい味わいのお米に。

天草の米作は早期栽培なので、川﨑さんは育苗において「プール育苗」を行っています。

プール育苗とは、ハウスの中に水を張った簡易的なプールを作り、そこに育苗箱を並べて苗を育てることです。

湛水状態での育苗となるので、毎日のかん水が不要となり省力化を図ることができます。また、苗の生育が揃い、根の張りも良くなると言われています。

3月に行われた種まき。4月上旬には田植えが始まり、早い田んぼで7月~8月には収穫が行われます。

一般的にお米の収穫といえば10月頃ですが、天草では一歩早く、真夏に行われるんですね。新米を夏に食べられるとは、天草の土地ならではの贅沢な特産品ともいえる早期米コシヒカリですね。

川﨑さんが自然栽培に取り組むきっかけはある発見から

川﨑さんインタビュー

川﨑さんは、天草に代々続く米農家に生まれました。幼い頃から、稲がそばにある環境で育ってきたのです。

川﨑さんも米農家として生活をしていたとき、早期米コシヒカリの導入が図られました。

前述したように、早期米コシヒカリは倒れやすい特性がありました。そこで川﨑さんは、倒伏を防ぐ効果のある資材“セリタード”をまいてみることに。

すると背丈の低い、倒れにくいコシヒカリに育ちました。翌年川崎さんは、セリタードを使わずにコシヒカリを育ててみました。しかし不思議なことに、前年と同じく、背丈の低いお米に成長したのです。

川﨑さんはこの結果から、確信しました。

川﨑さんインタビュー

「前年のセリタードが、今年の米にも吸収された」のだと。

つまり、農薬も肥料も、一度使うと翌年に残留するということです。

川﨑さんはこの気づきにより、農薬や肥料を使わない自然栽培に取り組もうと決心しました。

現在では、自然栽培米コシヒカリをいち早く全国に届ける農家として活躍しています。

まとめ

川﨑さんが自然栽培米作りを始めた頃は、水田一反あたり、3俵しか収穫できなかったこともあるといいます(一般的な栽培で平均9俵)。

周囲から笑われるなど理解を得られず非常に辛い想いをしたそう。

しかし川﨑さんは、「自然栽培こそが、食べた人が元気になれる生命力の高いお米を作れる栽培方法だ」と信じ、奥さんの二人三脚でその道を歩んできました。

今でもパワフルに自然栽培米作りに挑み続けています。

令和三年の川﨑さんの自然栽培米の成長が、楽しみですね!

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