自然栽培米使用の味噌-麹菌、酵母、乳酸菌の働き
こんにちは、自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。
私どもは自然界の菌に良い発酵をしてもらうために、下記の自然栽培農産物のみを原料として「自然栽培黒大豆味噌」を作っております。
・自然栽培米
・自然栽培押麦
・自然栽培黒大豆
よく「自然栽培農産物を使用すると良い発酵をしてくれる」と言われます。よい発酵と言っても多種類の菌たちの働きが関わっています。
私たちの体は菌との共生で成り立っています。菌達の事を知ることは、私たちの健康を維持するうえで非常に重要だと考えています。
今回は、日本の伝統食の味噌の発酵において、主にどのような菌が関わっているのかを共有いたします。
味噌の発酵に関わる菌達ー麹菌、酵母、乳酸菌
上写真:麹菌、酵母菌、乳酸菌のサイズの違い
ステップ1:麹菌
味噌を仕込む第一段階として、まず麹菌(こうじきん)を蒸した自然栽培米に混ぜ込み繁殖させます。
麹菌はカビの一種なので、上の写真のように菌糸を延ばしでんぷんやたんぱく質を分解します。
麹菌は、下記の酵素を生成し分解します。
・アミラーゼ:でんぷん質を糖に分解
・プロテアーゼ:たんぱく質をアミノ酸、ペプチドに分解
・リパーゼ:脂質を脂肪酸(長鎖脂肪酸)に分解
麹菌は次に繁殖する酵母のエサとなる糖やアミノ酸を作っているのです。
ステップ2:酵母
酵母菌:出典:http://panlabo.jugem.jp/?eid=1650
酵母は、麹菌によって作られた糖やアミノ酸をエサに繁殖します。
味噌で使用される酵母は、パン用酵母や清酒酵母等とは異なり、塩分に強い耐塩性を持った酵母となっております。
酵母の働きは、主に2つ。
1) アルコール発酵&有機酸の生成
酸素が少ない所で働く嫌気性の酵母の働きより、糖分からアルコールや微量の有機酸を生成します。
2) 各種アミノ酸、ビタミン、脂肪酸の合成
酸素を必要とする酵母菌(産膜酵母など)の働きにより糖分をエサにして、アミノ酸やビタミンB群、脂肪酸(短鎖-中鎖脂肪酸)などを合成する働きがあります。
アルコールと脂肪酸が結合することで味噌の独特の香りや風味を醸し出しています。
酵母が生成した有機酸により酸性環境になり、次の乳酸菌が活発に働くようになります。
ステップ3:乳酸菌
酵母の次に入ってくるのが乳酸菌ですが一番サイズが小さい菌です。
乳酸菌の形態で呼び方が異なります。
乳酸球菌:丸い形状(上写真)
乳酸桿菌:細い棒状
味噌には乳酸球菌も乳酸桿菌もどちらも含まれていると言われています。
乳酸菌の主な働きは2つです。
1)味噌の保存性の向上
乳酸菌の生成する乳酸が、味噌のpHを下げるために腐敗菌や雑菌の繁殖を抑えるため保存性が向上します。
2)味噌独特の香りを生成
乳酸菌の生成する乳酸やその他有機酸がその味噌の独特の香りやコクを作り出します。
乳酸菌の作り出す酸性環境は、味噌の保存性を増すだけでなく、腸内の善玉菌が好む環境をも作りだします。
「菌が生きている味噌」を頂く
私たちは、「菌が生きている味噌」を食べてほしいと思っています。
そのため10ヵ月以上天然醸造で熟成させ、また出荷時にも加熱処理やアルコール処理をしていない味噌をお届けしています。
自然栽培味噌は、夏場に30℃くらいの所に置いておくと、菌が生きているため徐々に発酵して香りが濃くなり、まろやかにもなってきます(自分のお好みの味になりましたら、冷蔵庫に入れて頂くと発酵スピードは遅くなります)。
私たちの健康の秘訣は「腸内の善玉菌を増やす」ことですが、この酵母菌、乳酸菌を含む味噌は善玉菌が好む腸内環境を作り出してくれます。またこれらの菌自らも善玉菌のエサとなります。
自然栽培農産物のみで仕込んだ菌が生きている「自然栽培黒大豆味噌」を健康維持のために日々の食生活に摂り入れて頂ければと思います。
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私たち「ナチュラルスタイル」は自然栽培の現状や考え方を広く知ってほしいと思っています。
今回の記事が参考になりましたら、ご自由にこの記事をシェアー下さい。
【参照元】自然栽培米使用の味噌-麹菌、酵母、乳酸菌の働き
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