病気や虫が発生する理由とは?|澤村自然栽培米

更新日:2024年9月21日 公開日:2024年8月13日

ウンカの被害

こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。

農業において、「病気や虫との闘いは避けては通れない」というのが一般的な考え方です。

虫や病気の対策のためにこの時期にはこの農薬を使用するという作物ごとに病害虫防除カレンダー等もございます。多くの農家さんは農薬を使用して病害虫の防除対策をしています。

しかし、一方で農薬を一切使わない農家もいます。
そのような農家さんの田畑では、病害虫の被害が拡大しているのでしょうか?それとも病害虫の被害がないのでしょうか?

熊本県宇城市で農薬を使用せずに20年以上自然栽培米を作っている澤村輝彦さんに、農薬や肥料を使用しない理由や、病気や虫がなぜ発生するのかを伺いました。

記事の最後には、ご本人による動画もありますのでぜひご覧ください。

実際にどれくらい病気や虫が発生しているのか?

ウンカ

現在、日本の農業では農薬を使用して農産物を栽培することが一般的です。

農薬は草や病害虫の被害を防ぐために使われますが、同じ農薬を繰り返し使っていると雑草や害虫にも薬剤耐性を持つ種が発現し、また新しい農薬が開発され、イタチごっこになっています。

現状では、虫や病気が発生している農地の統計データはありませんが、2020年時点では有機栽培普及率は0.6%といわれています。つまり、99.4%の農地で農薬が使用されています。少なくとも99.4%の農地では病気や虫が発生しているということです。

また、無農薬だからといって病気や虫が発生していないわけではありません。実際には無農薬の農地でも発生しており、被害を大きく受ける農地もあれば、生物多様性によって拮抗関係が生じ、病気や虫が広がらない農地もあります。

病気や虫は、慣行栽培・無農薬栽培を問わずほとんど全ての農地で発生していますが、その病気や虫により被害が広がるかどうかはその農地の環境より異なります

参考:農林水産省「農薬を使い続けると、害虫や雑草への効果がなくなるというのは本当ですか

参考:農林水産省「有機農業をめぐる事情」P.9

一般的な病気や虫の対策

農薬散布

現代では99.4%の農家は農薬を使用して病気や虫を防除しています。農薬が普及しだしたのは戦後ですが、今や農薬使用は農業の常識となっています。

しかし、先述したとおり、同じ農薬の使用を繰り返すと病気や虫、草は薬剤抵抗性を付ける種が発現し、その農薬は効かなくなることがあります。そのため、新しい農薬を作り出しイタチごっこをしています。

慣行栽培においては、農産物の見た目を重視するために農薬を使用して病気や虫を排除する視点にあります(市場では外観の良さによって取引価格が決まるので農家さんにとっては仕方ありません)。

一方、農薬や肥料を一切使用しない農家もいます。彼らは、基本的に視点が異なります。病気や虫を排除しようとせず受け入れようとする視点です。

虫や病気を受け入れるというより、自然界の虫や病気に抵抗して闘うのではなく、病気や虫が発生する理由が自分の田畑にあると考えているようです。

今回は自然栽培米農家さんがどのような視点を持たれているのか澤村輝彦さんに伺いました。

自然栽培米農家・澤村さんの対策と考え方とは?

自然栽培米農家澤村輝彦とあきまさり

熊本県宇城市で自然栽培米「あきまさり」を育てる澤村さんは、一切農薬や肥料を使用しません。

肥料を使用しない分、収穫量は慣行栽培の6-7割ほどに減りますが、元気な稲が育ちます。

澤村さんの自然栽培において大事にしている考えを伺うと、その答えは「栄養素と微生物のバランスを整える」ことだと言います。

慣行栽培では見た目が良く、多くの収量を取るために農薬と肥料を使用しますが、それでは土壌中の微生物の生態バランスが崩れます。特に農薬は多くの微生物を殺すため、このバランスが大きく崩れてしまうのです。

自然栽培米作りで大切な考え

自然界の植物に目を向けると、生理障害や欠乏症などはありません。

つまり、なるべく自然の状態に近づけて栽培すると栄養分と微生物のバランスは整うのです。澤村さんの視点は農産物の外観だけでなく、土や微生物にまで及んでいるのです。

そして、除草剤などの農薬を水田で使用しないことで海の再生にも繋がると考えているのですね。

まとめ:なぜ病気や虫が発生するのか?

病気や虫はほぼ100%の農地で存在しています。

しかし、その病気や虫の被害が広がるかどうかは、田畑の環境によって異なります。

私は農薬や肥料を使用しない自然栽培の田畑を10年以上にわたり見てきましたが、特に自然栽培歴の長い田畑で病害虫の被害で収穫がほぼなくなるというのは見たことがございません。

それは、農薬を使用し続けてきた田畑と無農薬の田畑とでは根本的に違いがあるからです。

澤村さん曰くその違いとは「土壌の栄養素と微生物のバランス」だと言います。

田んぼにおいては、春草を生やしなるべく自然の状態に近づけることで土壌の栄養素と微生物のバランスは整っていくと言います。

澤村さんは「微生物のバランスが整った土壌で育った植物は健康な人間の腸内細菌と同じで免疫力が高くなる」と言います。

私達の体は食べた物でできているので、なるべく免疫力の高い食べ物を体に取り入れていく習慣があると良さそうです。

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