自然栽培米とウンカの被害
こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田です。
お米農家にとって毎年気になる虫がいます。
それが、稲の大敵といわれる「ウンカ」。
日本には主に、セジロウンカ・トビイロウンカ・ヒメトビウンカの3種類のウンカがいますが、稲の被害を及ぼすウンカとしてよく知られているのは、セジロウンカ、トビイロウンカです。
出典:https://www.cp.syngenta.co.jp/cp/columns/view/unka_knowledge_02/
今回は、稲作におけるウンカの被害に関してお伝えいたします。
稲作におけるウンカの被害状況とは!
ウンカの中でも特にトビイロウンカは、坪枯れの被害を及ぼします。
トビイロウンカの被害が大きくなると、上のような状態になります。
見ての通り、全く収穫できなくなります。
大発生するとお米の収穫に大きな打撃を与えるだけでなく、ウィルス感染の媒体ともなります。
歴史上の大飢饉もこのウンカの被害影響があると言われています。
1731年に起こった享保の大飢饉
1833年に起こった天保の大飢饉
ウンカの分布範囲は、1年中稲がある熱帯地域にいます。
しかし、風に乗って長距離移動する性質がありますので、中国南部の稲の収穫期を迎える6月下旬頃から7月にかけて飛び立ったウンカは、梅雨前線に沿って発達するジェット気流に乗って日本へ来ます。
したがって7月中には、目に見える被害はありませんが、ウンカがきているという事になります。
田んぼの現場の感覚では、8~9月頃に稲の茎にセジロウンカが先に来ます。
その後、トビイロウンカが入り込み、収穫前の10月頃に被害が見え出してきます。
自然栽培米水田でのウンカの被害状況とは
左側:自然栽培米水田, 右側:慣行栽培
私は、これまで多くの自然栽培水田を見て回ってきました。
ウンカの被害の傾向として、自然栽培水田は、被害が少ないと言えます。
自然栽培とは無農薬・無肥料栽培のことですが、特に無肥料が影響しているのではと考えています。
肥料を使用すると植物体に窒素分が多くなり、軟弱になる上に虫を呼ぶと言われています。
昔から自然栽培米はウンカの被害を受けにくいと言われおり、2005年のウンカの大被害の時も下記の写真が残っています。
写真は2005年のウンカ被害時に携帯で撮影したものですので少し見にくいのですが、手前の田んぼはウンカの被害を受けています。
しかし、奥の田んぼはウンカの被害を受けずに収穫することができました。
この田んぼこそが自然栽培を続けられてきた田んぼだったのです。
自然栽培で育った稲の虫や病気への抵抗性の違いを垣間見れた時でした。
ただし、自然栽培ならば全ての田んぼでウンカの被害に合わないというわけではありません。やはり、自然栽培歴やその田んぼの残肥などが少なからず影響します。
自然栽培米水田においては、肥料を使用していないので虫が発生しにくく、また無農薬なのでクモなどの天敵の存在により被害が拡大にしくいと考えています。
世の中では、無農薬でウンカが大発生すると考えれていますが、現実は異なるようです。
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