播種作業で大事にしているポイントとは?|稲本薫の自然栽培米
こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。
お米作りにおいて、丈夫な苗を作る事はその年の収量を決めるくらい重要な事だと言われています。その苗作りの一番最初がこの「播種作業」です。
今回は、熊本県八代市で自然栽培米稲本1号やあきたこまちを作る稲本薫さんに播種作業の現場を取材させて頂きました。
自然栽培米作りにおいて、稲本さんは、何を大事にして播種作業を行っているのかをご覧頂ければと思います。
目次
自然栽培歴35年以上の稲本薫の播種作業
熊本県八代市の稲本薫さんは、35年以上にわたり自然栽培米作りを続けてこられました。
現在の栽培面積は10町(10ヘクタール)にも広がり、今回の苗箱の数は、なんと3500枚!
私が取材をしたのは4月末でしたが、この時、ご家族3人で播種作業をされていました。
自動の播種機を使われていたので、昔に比べると効率良く作業が進んでいましたが、それでも3500枚の苗箱をご家族で用意するのはとても大変なことです。
稲本薫さんが苗箱の設置や土入れ、奥様が種籾のチェック、息子さんが苗箱を運ぶ。と役割分担されていました。
稲本自然栽培米の播種作業で大事にしている点をご報告いたします。
播種時に使う山土はもちろん無肥料
稲本さんは自然栽培米農家なので、苗箱に入れる育苗土も肥料分を添加していない山土を使用しています。
農家さんによっては、物理性や化学性の改善のために何らかの資材を添加される方もおられますが、自然栽培では肥料分を添加していない山土を使用することがほとんどです。
稲本さんの播種作業ではポットに山土を入れるのですが、多少湿り気がある方が作業がしやすいため作業前に水分調整をするようです。このあたりは、稲本さんの経験値ですね。
自然栽培水田で自家採種した種籾を使用
自然栽培米農家が大事にしていることの一つが「自家採種」です。
稲本さんも自家採種を重要視しており、35年以上にわたり自家採種を続けています。
一般栽培では薬剤で種子消毒をする場合もありますが、稲本さんは薬剤を使わずに温湯消毒を行います。
温湯消毒は、60度前後の湯に一定時間種籾を浸す消毒方法ですが、特にカビや細菌の防除に期待ができるといわれています。お湯に浸けるだけですが、これにより薬剤を使用する必要がなくなります。
そして温湯消毒の後、催芽(芽出し)をするのですが、稲本さんは芽が出る前の状態で播種をするそうです。確かに写真を見て分かるように芽が出る前の段階です。
これは、苗床に並べてから2日程度経った段階で芽が出るよう逆算しているからだと言います。
これも稲本さんが培ってきた経験値ですね。
参考出典:農薬を使わない温湯消毒法。湯温消毒の仕組みとその効果
最後に:稲本薫のお米作りのスタート播種作業
4/27に私が訪れた時は、稲本さんはご家族3人で播種作業の真っ只中でした。
稲本さんは3500枚というかなり多い苗箱を準備をするうえで、自動の播種機械を導入しており、初めて見るタイプで個人的に興味深くずっと観察していました。
今回の播種作業を見させて頂いても、随所に稲本さんのこれまでの経験から培った知恵が見えますね。
どの山土をどんな水分状態で使うのか。播種後、苗床に移してから2日で発芽するようにどのように作業を進めるのか。全て逆算して作業を進めているのが分かります。自然栽培歴35年以上という経験値がしっかりと土台を築いているのが分かりますね。
稲本自然栽培米の種籾が元氣な苗となり、今年も逞しく育ち、皆様の命の糧となるようなお米となることを願っております。
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